ミナミまちある記 Minami Walking Report

晴れた日は御堂筋を歩こう
良く晴れた日御堂筋を歩いてみた
良く晴れた師走のある日、大阪の顔である「御堂筋」を歩いてみたいと思い立ち、訪れてみた。銀杏並木の葉は金色に輝き、青空に映えて大変美しかった。路面に落ちた銀杏の葉を踏しめながら歩いていると難波神社(中央区博労町)の鳥居が目に入ったので立ち寄った。この神社の創建は古く仁徳天皇の時代に遡る。大阪城の築城に伴い豊臣秀吉の命により1597年現在の地に遷座した。しかし境内には当時の面影はない。残念なことに昭和20年の大空襲ですべてが消失してしまったのだ。現在の建物は1974年近代的なコンクリート造りで再建された。
人形浄瑠璃の興行地-難波神社
難波神社には植村文楽軒(2代目)が人形浄瑠璃を興行した稲荷社文楽座跡の碑がある。人形浄瑠璃の創始者 植村文楽軒の名は「文楽」として現在も残っている。江戸三座、浪速五座といわれ江戸時代から道頓堀界隈には芝居小屋が立ち並び、浪速の庶民は人形浄瑠璃や歌舞伎を楽しんでいたのだ。当時の江戸の人々にとって上方文化は羨望の的だった。碑の前で当時を懐古してみる。まだ食べることもままならないあの時代に芸能文化を楽しんでいた浪速の人々。上方文化の奥深さを伝える貴重な史跡でもある。※注)ユネスコの無形文化遺産に登録されている人形浄瑠璃文楽は国立文楽劇場で鑑賞することができる。
御堂筋はシャンゼリゼ
難波神社を後にし、御堂筋を難波方面に南下する。青空の下金色に色づいた銀杏並木を歩くと心が晴れ晴れとする。外国からの旅行者も心から楽しんでいる様子。歩き始めるとすぐにブランドショップが軒を連ねる一角に遭遇する。世界的に有名なブランドがショーウインドーを飾り、道行く人々の興味を引く。高嶺の花と思いつつも、新作のブランド品のウインドーショッピングをしばし楽しむ。御堂筋はパリのシャンゼリゼ通りに例えられる。道幅、並木道、建物の佇まい等を比較すると確かにその雰囲気は漂っている。惜しむらくは気軽に立ち寄れるコーヒーテラスがないことだが、歩くのに疲れたら東に道を一本隔てた心斎橋筋商店街、戎橋筋商店街に立ち寄ってコーヒーブレイクするのも一考かもしれない。両商店街の紹介は次の機会とし、引き続き御堂筋を南下する。
歴史に名を残す三津寺
白壁が陽に映えて美しい建物が目の前に姿を現した。要塞を連想させる堅固な佇まいの三津寺だった。天平16年744年に行基によって創建され三津寺は、織田信長の「石山本願寺」攻撃の際には砦の一部として戦ったとされる。「曽根崎心中」等に登場する名刹でもある。本堂は文化5年1808年に竣工された。大阪市内では非常に珍しい近世の建築物だ。奈良時代から現在まで絶えることのない人間の営みを三津寺は静かに見守ってきた。本堂の前で手を合わせながら、時空を超えて向き合ってみた。大阪の繁栄を築いたDNAが確かに息づいているように感じた。


小一時間の御堂筋の散歩だったが、奇しくも豊臣秀吉ゆかりの「難波神社」から 織田信長に関係のある「三津寺」までの道のりとなった。
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